つけ麺はさほど美味しい食べ物ではない
なんと前回更新から2年近くが経過した。
この期間中に社会で起きたことについて触れることはここでは差し控えるが(ではどこで触れるというのか)、自分はついに大学を卒業し社会人になった。
住所こそ同じ為に居住環境に変化はなかったものの、さすがに自分のライフサイクルは起床時間を含め、信じ難い程に変貌した。
総アクセス数300程度(さっき確認した)とはいえ、公に晒される文章であるのだから仕事に関して詳細には書けないものの、社外の人間とよく話す役割を任された。それでいて自分ひとりの時間も随分長いものだから、人と会話することについて思考することが、そして自分の会話内容について反芻することが増えた。
たいそう自分は役割演技に長けた人間だと思う。
自分の置かれた立場に応じたキャラクター作りをやたらと器用にこなす。
人前に立つ時はプロレスラーと政治家のハーフでいるつもりで、
(具体的にはKENTAとボリスジョンソンのように)
相手と2人きりでいるときはボソリとシニカルに、
(具体的には高校時代の後輩の愉快な女の子のように)
そして仲の良い人といるときはほぼ無言で、
(具体的には屍のように)
自分のキャラクターを遂行しているように感じている。
アイデンティティが確立できていない幼い者だと自認していた時期もあったものの、少し前から、むしろ周囲を察しながらキャラクターを変えられるというアイデンティティをもっているのだという捉え方をするようになりつつある。それは自分の中に圧倒的な自己があり、自己が断じて揺るがないことに起因して初めて成立する事象なのだから、そう考えると幼さは自分にもう残されていない。
昔の彼女が友達をもじったイラストを描いていたことがあった。
デフォルメされた友達が楽器を持っていたり、スポーツをしたりしているイラストが並ぶ中で、自分はパーカーを着てピエロのお面を付けていた。
聞くと、「○○(僕)はカメレオンみたいだから」という。
長い間、交友関係に変化の乏しい自分は、故にキャラクターを増やす必要もなかった。
しかしつい最近になってドサっとコミュニケーションする相手が増えたものだから、キャラクターも随時追加されていった。ここにきてDLC追加である。
DLCの多さに対して、それなりに面食らうこともあるつもりであったが、やはり自分はキャラクターの使い分けが上手いそうで、対人関係の構築に長けていると評される(違うと思う)。
これも、自分の根底に確固たる自己が存在している所作。知らぬ間に大人になっていたのだと着地しておこうと考えている。
余談であるが、上司と話す時は彼女の父親と話すつもりで臨むと円滑に事が進みやすい。
さて、自分はその断じて揺るがない確固たる自己の本質が分からない。
キャラクター構築や選択の基準をどこに置いているのかが掴み切れていないのだ。
揺るがないことは分かっているのだけれども、ではそれがそんな性質を持っているのか、がストンと腹落ちしてこないのだ。
どのキャラクターが最も自己に近しいものなのか、転々としてしまい理解しきれていないのだ。
正直なところ、もう少し色々とキャラクターを増やしてみて、もしくは
かつてよく使ったけれども離れてしまったキャラクターをまた使ってみたりして、自己を探ってみたい。
だから、種々様々な人間と関わってみる必要があると実感しつつある。
つまり、結局それはすなわちアイデンティティが確立していないということなのでは?
私は屍になった。
占い師曰く、自分は外面だけは良い人間らしい。
どんなにつらつらと喋っていても、内面は無口なのかもしれないが。